ヘルスケアー7(うつ病とパニック障害)

やっと、全国的につゆ模様になりましたね。この時期、学生は5月病(ホームシック?)から脱出した人と、そうでない人、社会人新人はも同様でしょうか?私の話で恐縮ですが、私は大学を卒業するまで、風邪もまともに引かない?程強靱な健康優良児でした。どちらかと言えば、運動が好きで、格闘技からテニスまでやってきました。体力には当然自信がありました。

が、入社して初めて迎えた冬に40度近い熱を出して、風邪を引きました。どんなにコートを羽織っても、毛布でくるんで貰っても、ガタガタ震えが止まりません。そんな状態で近くの病院まで這うようにして行ったのですが、元気そうな老人が優先され、今にも倒れそうな私を見ながら、順番待ちにされた挙げ句、看護婦の二人が私を見て笑って居るんです。大袈裟ですねって。生まれて初めてこんなに震えるまで熱を感じているのに。


その時感じましたね。一つは、人の体験は経験してみなければ判らない事(その人の生い立ちやバックグラウンドも違うんですからね)、そして今ひとつは、仕事向いていないのかな?って。


少々前書きが長すぎましたが、2回前の続きになります。彼は転々と病院を回りましたが、どこでも異常なしと言われて、返ってきました。東京の有名病院は殆ど行ったそうですが、何を持って有名と言うかでしょうね。最後は先生の問題でしょうね。

そんな事を続けていましたが、会社に出る決心を付けました。効かない安定剤を持って。最初の日は、電車に乗る事が出来ませんでした。次の日は、何とか電車に乗った物の、いきなり目眩がして倒れそうになり、次の駅で降りました。いづれも、帰りは歩いて家まで帰ったそうです。なんでそんな事になるのか、理解できませんが、本人に取っては大問題です。

でも彼は頑張って、何とか会社にたどり着く事が出来たのです。根性だけで行けたのでしょうか?家族のため?自分の為?仕事の為ではない?いや仕事自体は好きな人でした。

しかし、この例をみると何か判ってきませんか。この時点で彼は、抗うつ剤も抗パニック剤も飲んでいないのです。なのに、会社にたどり着く事が出来たんです。やはり仕事がしたい一心だったのでしょう。でなければ、辛い思いをしてまで来ますか?私には考えられません。

でも悲劇はそこから起こりました。彼は胸を押しつけられるような気持ちで(本人は物理的にそうなっている)で数日会社に通いました。会社の帰りでした。突然車中で不安な気持ちになって、冷や汗が出て、身体が震え、電車から降りたい氣分に駆られました。ここから飛び降りたい。必死で扉に近づこうとしますが、人が多くて動けません。顔は真っ青になって、汗だらけ、記憶が遠のき倒れ込みました。

そんな状態なのに、東京の人(ほとんど地方出身者)は、冷たいですね。彼に声を掛けるどころか、避けるように足を一歩づつ後にさがったのです。なんとそこには、人が倒れられる空間が出来たと言うから驚きです。結局彼は次の駅で自力で降りたそうです。ここが判らないんです。

降りやれると思うと安心するのか、冷や汗も引き、駅に着くまでの体制と言っても30秒ぐらいでしょうか?何故って、東京の電車の駅の間隔は普通3分から5分ぐらいでしょう。たったその数分が我慢できないとすれば、数十秒の時間しか考えられません。

その状態で、タクシーにのってこの付近で比較的大きめな病院に連れて行ってくれと頼んだそうです。運転手も気持ち悪がって、適当な病院に降ろしたみたいですが、これがまた不思議な事に病院につくと冷静になってしまうようです。だから何でしょうか、またしても疲労という診断が降りました。


この話はノンフィクションですから、本当にあった怖い話です。ほっとくと大変な事になるんです。皆さんも、何らかの症状が出て、何とも無いと言われたり、病院に行くと症状が薄らいだりした場合には、一度心療内科メンタルクリニックに行かれる事をお勧めします。そして精神科医斎藤茂吉の直系茂太先生の本を紹介します。


「うつ」と明るくつきあう本

「うつ」と明るくつきあう本