*ヘルスケアー6(技術者を襲う鬱)

またうつ病の話になりますが、色んな記事を見ておりましたら、今日ご紹介するような話を見つけました。これまでの話が、単なる知人の経験談ではないことを、知って貰えるに良い内容かと思います。

それにしても、もはや社会病とも言えるうつ病は、特別な事ではないことを知る必要があるでしょう。もしあなたが、鬱かまたはその疑いが有る場合でも、なんの問題も無いことがわかると思います。風邪にかかったとでも思った方が良いと言うことです。

変だと思ったら、勇気を出して(それ自体変な話だが)会社を休み、休養を取って、ゆっくり睡眠をとって、セルフコントロールする、ストレスを溜めない事が大切だと思います。



■技術者を襲うストレスとうつ、原因と対処法は

ストレスからくるうつに悩まされる技術者が急増している。社員のストレスは経営レベルで対策すべき問題だが、日本の経営者の理解はまだまだ。自己防衛するしかないという。

職場のストレスからうつ症状を訴える技術者が増えている。精神障害関連の労災請求件数は右肩上がり。2004年度の請求件数の4分の1が、SEやデザイナーなど「専門技術者」だった。成果主義が広がり、し烈な国際競争にさらされた結果、ストレスを溜めこんでうつになってしまうという。


精神障害等に係る労災請求・認定件数の推移

メンタルヘルス対策をITでサポートする企業・ライフバランスマネジメントの渡部卓社長は「従業員のストレス問題は経営リスク」と指摘。経営者レベルで対策に乗り出すべきというが、日本企業の理解は進んでおらず、従業員は自己防衛するしかないのが現状だ。

渡部社長によると、サラリーマンのストレス要因の筆頭は人間関係。同僚や上司、部下、家族との関係に悩むサラリーマンは多い。リストラの影響で、上司との関係に悩む30歳前後のサラリーマンが特に増えている。

「リストラの結果中間管理職が減り、上級管理職が若手を直接見るようになった。間に人を通さない分意思疎通が図りやすくなったと思われるかもしれないが、実際はそうでもない。40〜50代の管理職は、若手とのコミュニケーションが苦手。部下が増えすぎてきちんと見る余裕もない」。

特に技術者の場合、新技術を知らない上司が若手の面倒を見ることが多く、若手は「いくらがんばっても理解してもらえない」とストレスをためていく。

裁量労働制がこの問題に拍車をかける。「実力主義と言うと聞こえはいいが、全てが結果責任で、仕事に時間制限がない。残業、土日出勤が当たり前になっている」。人件費削減目的で裁量労働制を取り入れている企業もあり、評価に不満を持つ技術者は少なくない。

加えて、技術者にはうつに陥りやすい“心のクセ”を持つ人が多いという。例えば、ものごとに白黒をつけたがったり、悪いことはすべて自分のせいと考える、自分の悪いところばかり見つけて責める――といった具合だ。


■従業員のストレスは「経営リスク」

ストレスやうつは個人の問題ととらえられがちだが、実は経営者こそが真剣にとりくむべき課題と渡部社長は指摘する。「従業員のストレスがたまれば生産性が落ちる。企業に深刻なダメージを与えることもある」。例えば、個人情報の漏えい問題も、従業員の心の問題に密接に関係すると話す。

「ある有名なIT企業は『世界中のハッカーから狙われてもビクともしない』というセキュリティで個人情報を守っていたが、仕事でストレスがたまっていた従業員が情報を持ち出して漏えいした。JR西日本脱線事故を起こした運転手も、心に問題を抱えていた可能性がある」――見えない経営リスクは大きい。

心の問題を原因に休職、退職するサラリーマンも増えており「人事部には大きな問題として認識されている」。一部の大企業では、産業医によるカウンセリングやストレスチェックなどが取り入れられているものの、まだまだ理解は進んでいないのが現状だ。「うつになったら即クビ、という企業はまだまだ多い」。

渡部社長は米AOL、米Cisco Systems、ネットエイジなどを経て、2003年にネットエイジからスピンアウトしてライフバランスマネジメントを起業した。

米企業では、メンタルヘルス対策を経営リスク問題ととらえ、カウンセリングやレクリエーションなど、ストレス対策を積極的に提供している。うつによる一時的休業に対する復職制度が整っている会社も多い。

しかし日本企業が米国並みになるにはまだまだ時間がかかりそう。「結局は自己防衛するしかない」。


■ストレス発散には自分なりの「ヨンさま」を

自己防衛に重要なのは、自分のストレスの原因と状態、ストレス量の変化を知り、危ないと思ったら早めに休養をとったり、カウンセリングを受けること。

同社がネット上で提供しているストレスチェックシステム「MTOP」(無料版もあり)などで自分のストレス源を定期的に知る。同社は、Blog形式のオンライン日記で自分の心のクセを観察してもらい、うつ防止につなげる「メンタフダイアリー」も提供している。

「ストレスに気づかないで走り続けていると、突然うつ病になってしまうことがある」――忙しすぎる人が周囲にいれば、変調に気づいてあげてほしいという。「仕事でミスが増えたり、疲れがたまっているいそうな人にが『ちゃんと寝ている?』などと聞き、話をじっくり聞いてあげてほしい」。

ストレス発散に効果的なのは、「Rest」(休養)、「Recreation」(気分転換)、「Relax」(くつろぎ)――の3つ。よく眠り、気分転換し、ゆっくりする時間を持って緊張をやわらげるといいという。

好きなものにハマるのも手だ。「昨年、中高年女性の自殺率が激減した。理由はヨンさま」だという。「仲間で一緒に楽しめる対象ができ、仲が悪かった嫁姑も、共通の話題で仲直りした。

ヨンさまのように一過性のブームを“薬”とするのは、長期的にはいまいちだが、例えば山や海といった健全なもの、いいものに触れ、リラックスしてほしい」。


会社のストレスに負けない本

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